助動詞の過去形:過去の能力・習慣・可能性・義務

ぜすと君が小さい頃の回想シーン。木に登れて嬉しそうにしている。
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助動詞の過去形で表す時制の世界

目次

ぜすと君と学ぶ!助動詞の過去形(時制編)

ぜすと君
るなちゃん、昨日映画見てたら “could swim” って出てきたんだけど、これって「泳げた」って意味?

るなちゃん
そうそう、”could” は「can」の過去形で、過去の能力を表しているのよ。

ぜすと君
じゃあ、”would” も過去形?なんかよく出てくるけど…。

るなちゃん
うん、”will” の過去形が “would” で、過去の習慣とか意志を表すときに使うの。

ぴこり
おお〜!なんか物語が過去にタイムスリップしてる感じだね!

おりばー先生
その通りです、ぴこりさん。今日は、助動詞が過去形になったときにどう時制を表すのか、整理してみましょう。

ぜすと君
“might” とか “should” も過去形になるんですか?

おりばー先生
ええ、”may” の過去形が “might” で、過去の可能性を示しますし、”should” は過去の義務や予想にも使えます。

ぜすと君
あれ…じゃあ “must” の過去形は “musted” じゃないんだ?

るなちゃん
ふふ、それは違うわ。”must” には過去形がないから、代わりに “had to” を使うのよ。

ぴこり
へぇ〜!じゃあ今日は、「過去の能力」「過去の習慣」「過去の可能性」「過去の義務」の4つをマスターする日だね!

おりばー先生
その通り。では、まずは助動詞の過去形が表す時制の全体像を見てみましょう。

文法解説:助動詞の過去形(時制としての使い方)

1. could:過去の能力・可能性

ぜすと君
“could” って、過去にできたことを表すんだよね?

るなちゃん
そう。特に「〜できた(能力)」や「〜だったかもしれない(可能性)」を表すのよ。

“could” は “can” の過去形で、過去の能力や可能性を表します。ただし「一度きりの出来事の成功」を表す場合は “was able to” を使うのが自然です。

覚えておきたい単語

  • could /kʊd/ 〜できた(能力・可能性)
  • was able to /wəz eɪbəl tuː/ (特定の状況で)〜することができた

例文で確認:could の使い方

I could swim when I was five.
5歳のとき泳げた。
※過去の能力を表す。

She could speak three languages.
彼女は3か国語を話せた。
※継続的な能力。

It could rain later.
あとで雨が降るかもしれない。
※過去ではなく、控えめな推量でも使える。

When I was a child, I could run very fast.
子供の頃、とても速く走れた。
※過去の能力。

He could be at the library yesterday.
昨日、彼は図書館にいたかもしれない。
※過去の可能性。

I couldn’t finish the test in time.
時間内にテストを終えられなかった。
※否定形。

We could hear the waves from our room.
部屋から波の音が聞こえた。
※知覚動詞ともよく使う。

I could not believe my eyes.
自分の目が信じられなかった。
※驚きを表す。

They could play outside until dark.
暗くなるまで外で遊べた。
※許可的な能力。

I could see the mountains in the distance.
遠くに山が見えた。
※知覚による能力。

2. would:過去の習慣・意志

ぜすと君
“would” は丁寧な依頼や提案だけじゃないの?

るなちゃん
実は「過去の習慣」や「過去の意志」も表せるのよ。

“would” は “will” の過去形で、過去によくしていた習慣や、その時の意志を表します。習慣を表す場合は “used to” と似ていますが、”would” は主に物語や回想でよく使われます。

覚えておきたい単語

  • would /wʊd/ (過去の)〜したものだった/〜するつもりだった
  • used to /juːst tuː/ 以前は〜していた(今はしていない)

例文で確認:would の使い方

When I was a child, I would visit my grandparents every summer.
子供の頃、毎夏祖父母を訪ねていた。
※過去の習慣。

He would always help me with my homework.
彼はいつも宿題を手伝ってくれた。
※よくしてくれていた習慣。

I knew he would come.
彼が来るだろうとわかっていた。
※過去時点での未来予測。

She said she would call me later.
彼女は後で電話すると言った。
※過去の発話に基づく未来。

They would play soccer until dark.
暗くなるまでサッカーをしていた。
※習慣的行動。

I would never lie to you.
君に嘘をつくつもりはなかった。
※過去の意志。

Every evening, he would sit by the fireplace.
毎晩、暖炉のそばに座っていた。
※回想的な習慣描写。

She promised she would be here on time.
時間通りに来ると彼女は約束した。
※過去の意志・約束。

I thought the movie would be boring, but it was great.
映画は退屈だと思っていたが、面白かった。
※予想と結果の対比。

He would always greet me with a smile.
彼はいつも笑顔で挨拶してくれた。
※習慣的な行動。

3. might:過去の可能性

ぜすと君
“might” って “may” の過去形だよね?

るなちゃん
そう。「〜かもしれない」を過去の文脈で表すときに使うのよ。

“might” は “may” の過去形で、過去における可能性や控えめな推量を表します。現在にも使えることがありますが、ここでは過去文脈に限定します。

覚えておきたい単語

  • might /maɪt/ (過去の)〜かもしれない
  • possibility /ˌpɑːsəˈbɪləti/ 可能性

例文で確認:might の使い方

He might be at the park yesterday.
昨日、彼は公園にいたかもしれない。
※過去の推量。

I might have left my wallet at home.
財布を家に忘れたかもしれない。
※過去の出来事への推測。

She might be the one who called you.
彼女が君に電話した人かもしれない。
※過去の行動の推測。

They might know the answer, but I’m not sure.
彼らは答えを知っていたかもしれないが、確かではない。
※過去の知識の可能性。

We might see him at the meeting last week.
先週の会議で彼に会ったかもしれない。
※推量。

He might not have heard the news.
そのニュースを聞いていなかったかもしれない。
※否定形。

I might have been wrong about her.
彼女のことを誤解していたかもしれない。
※過去の判断に対する推測。

They might have taken the wrong bus.
間違ったバスに乗ったかもしれない。
※過去の出来事の可能性。

She might not have recognized me.
彼女は私に気づかなかったかもしれない。
※推測。

It might have been too late to call.
電話するには遅すぎたかもしれない。
※状況の推測。

4. should:過去の義務や予想

ぜすと君
“should” って過去にも使えるんだ?

るなちゃん
そうよ。”should” はもともと “shall” の過去形で、過去時制の義務や予想を表すの。

“should” は文法的には “shall” の過去形です。過去の文脈で「〜すべきだった」「〜のはずだった」といった義務や予想を表します。ただし、現代英語では shall 自体があまり日常会話で使われない ため、「should=shallの過去形」という意識は薄くなっています。また should have + 過去分詞 という形で「過去の出来事に対する評価や推測」を表すこともありますが、これは「助動詞+完了形」に分類されるため、別の記事で詳しく解説します。

覚えておきたい単語

  • should /ʃʊd/ 〜すべきだった/〜のはずだった
  • shall /ʃæl/ 〜するつもりだ(提案・意志)
  • obligation /ˌɑːblɪˈɡeɪʃn/ 義務

例文で確認:should の使い方(過去時制)

He said I should be there at 8.
彼は8時にそこにいるべきだと言った。
※過去の発言に基づく義務。

We knew they should win the game.
私たちは彼らが試合に勝つはずだとわかっていた。
※過去時点での予想。

She told me I should stay home.
彼女は私に家にいるべきだと言った。
※過去の義務。

I thought you should try the new restaurant.
君はその新しいレストランを試すべきだと思った。
※過去の助言的義務。

They said we should take the earlier train.
彼らは私たちが早い電車に乗るべきだと言った。
※過去の提案。

He believed the meeting should finish by 5 p.m.
彼は会議が午後5時までに終わるはずだと信じていた。
※過去の予想。

She insisted I should join the club.
彼女は私がクラブに入るべきだと主張した。
※過去の義務。

I was told I should prepare a speech.
スピーチを準備すべきだと言われた。
※過去に課された義務。

He mentioned that the weather should be nice on Sunday.
日曜日の天気は良いはずだと彼は言った。
※過去の予想。

We expected the movie should start at 7.
映画は7時に始まるはずだと私たちは思っていた。
※過去時点での予想。

5. had to:must の過去形(義務)

ぜすと君
“must” って過去形がないんだよね?

るなちゃん
そう。その代わりに “had to” を使うのよ。

“must” は過去形を持たないため、過去の義務や必要を表すときは “had to” を使います。

覚えておきたい単語

  • had to /hæd tuː/ 〜しなければならなかった
  • necessity /nəˈsesəti/ 必要

例文で確認:had to の使い方

I had to finish the report by Friday.
金曜までにレポートを終えなければならなかった。
※過去の義務。

She had to wake up early yesterday.
昨日は早起きしなければならなかった。
※必要性。

We had to cancel the meeting.
会議をキャンセルしなければならなかった。
※過去の義務。

They had to move to another city.
彼らは別の町に引っ越さなければならなかった。
※必要。

He had to explain everything to the police.
彼は全てを警察に説明しなければならなかった。
※義務。

I had to help my parents with the work.
その仕事を両親の手伝いをしなければならなかった。
※過去の必要。

She had to take medicine every day.
毎日薬を飲まなければならなかった。
※習慣的義務。

We had to wait for an hour.
1時間待たなければならなかった。
※過去の義務。

He had to fix the car himself.
彼は自分で車を修理しなければならなかった。
※必要。

I had to leave early yesterday.
昨日は早く出発しなければならなかった。
※義務。

助動詞の過去形(時制編)確認問題

助動詞の過去形を使った文法問題です。過去の能力・習慣・可能性・義務を正しく表す文を選びましょう。

Q1. (過去の能力)私は5歳の時に泳ぐことができました。

  • 1. I can swim when I was five.
  • 2. I was able swim when I was five.
  • 3. I could swim when I was five.
  • 4. I can swam when I was five.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q2. (過去の習慣)彼は毎年夏におじを訪ねました。

  • 1. He visited his uncle every summer.
  • 2. He would visit his uncle every summer.
  • 3. He might visit his uncle every summer.
  • 4. He should visit his uncle every summer.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q3. (過去の可能性)彼女は昨日図書館にいたかもしれません。

  • 1. She might be at the library yesterday.
  • 2. She may be at the library yesterday.
  • 3. She could be at the library yesterday.
  • 4. She should be at the library yesterday.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q4. (過去の義務)私は先週そのプロジェクトを終わらせなければなりませんでした。

  • 1. I must finish the project last week.
  • 2. I have to finish the project last week.
  • 3. I should finish the project last week.
  • 4. I had to finish the project last week.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q5. (過去の未来)彼は私に電話すると言いました。

  • 1. He says he will call me.
  • 2. He said he would call me.
  • 3. He told he will call me.
  • 4. He tell he would call me.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q6. (過去の能力)私は若い頃、とても速く走ることができました。

  • 1. I could run very fast when I was young.
  • 2. I can run very fast when I was young.
  • 3. I might run very fast when I was young.
  • 4. I should run very fast when I was young.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q7. (過去の予想)彼らは電車が10時に到着するはずだと言いました。

  • 1. They say the train will arrive at 10.
  • 2. They said the train will arrive at 10.
  • 3. They said the train should arrive at 10.
  • 4. They say the train should arrive at 10.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q8. (過去の可能性)私は車にカバンを置き忘れたかもしれません。

  • 1. I may leave my bag in the car.
  • 2. I might have left my bag in the car.
  • 3. I could leave my bag in the car.
  • 4. I should have left my bag in the car.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q9. (過去の義務)彼女は毎日薬を飲まなければなりませんでした。

  • 1. She must take medicine every day.
  • 2. She has to take medicine every day.
  • 3. She should take medicine every day.
  • 4. She had to take medicine every day.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q10. (過去の習慣)父は毎晩私に物語を読んでくれました。

  • 1. My father would read me a story every night.
  • 2. My father reads me a story every night.
  • 3. My father will read me a story every night.
  • 4. My father can read me a story every night.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

助動詞の過去形(時制編)のまとめ

おりばー先生
では、今日学んだ助動詞の過去形(時制編)を整理してみましょう。
  • could:過去の能力・可能性を表す(例:I could swim when I was five.)
  • would:過去の習慣・過去時点での未来予測(例:He would visit his uncle every summer.)
  • might:”may” の過去形、過去の可能性(例:She might be at the library yesterday.)
  • should:”shall” の過去形、過去の義務や予想(例:He said I should be there at 8.)
  • must の過去形はない → 過去の義務は “had to” を使う(例:I had to finish the report by Friday.)
  • 一度きりの出来事で「〜できた」は “could” ではなく “was able to” を使うこともある
  • “should have + 過去分詞” は「助動詞+完了形」に分類(過去の評価や推測)※別記事で詳説

ぜすと君
なるほど〜!助動詞の過去形って、時制によって意味がはっきり分かれるんだね!

るなちゃん
そうよ。今日やった5種類を覚えておけば、会話でも文章でもしっかり使い分けできるはずよ。

ぴこり
わーい!これで過去の話もスラスラ言える〜!

おりばー先生
素晴らしいですね。この調子で、次は「助動詞+完了形」や「助動詞の仮定法」にも挑戦しましょう。

ぜすと君
よーし、どんどんレベルアップだ!次の冒険も楽しみ〜!

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