語根の自由形態素と拘束形態素:例でわかる徹底ガイド

カラフルな積み木に「ceive/ject/mit/dict/help/tend/play」が描かれ、ぜすと君、るなちゃん、ぴこりが遊んでいるイラスト。
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目次

ぜすと君と学ぶ!語根の「自由形態素」と「拘束形態素」

今日は「語根」の、単独で語として立てる自由形態素の語根と、単独では立てない拘束形態素の語根を紹介します。特にふだん馴染みの少ない「拘束形態素の語根」をしっかり押さえましょう。

ぜすと君
ねえねえ、「build」はそのまま単語だけど、「struct」って単独じゃ見ないよね?これって何が違うの?

るなちゃん
いい目のつけどころだよ♪ build は単独で語として使えるから「自由形態素の語根」。一方 struct は construct や structure の中でしか見かけないから「拘束形態素の語根」だよ。

ぴこり
つまり、ひとりで立てる語根=自由、誰かにくっついて働く語根=拘束、ってことだね!

るなちゃん
例えると、自由形態素はソロアーティスト。一人でも成立するよ。拘束形態素はユニットメンバー。仲間(接頭辞・接尾辞)と組んで力を発揮するんだ。

おりばー先生
その理解でバッチリです。英語には help, play みたいに自由な語根もあれば、ject, mit/miss, ceive, spect, pose など拘束の語根がたくさんあります。

ぜすと君
うわ、ceive とか単独で見たことない…でも receive, perceive, deceive は知ってる!

るなちゃん
そうそう。拘束形態素の語根は、ギリシャ語・ラテン語由来であることが多いの。語源のコアイメージを知ると、未知語でも推理しやすくなるよ。

ぴこり
じゃあ今日は、自由な語根の代表と、拘束の語根の代表を“ファミリー”で見せてもらえるのかな?

おりばー先生
もちろん。次は、自由と拘束をそれぞれ表+例で紹介します。とくに拘束の語根はを丁寧にまとめますよ。

ぜすと君
ぼく、まずは自由形態素で安心してから、拘束の方をじっくり攻めたい!

るなちゃん
任せて。自由形態素は感覚がつかみやすいから、ウォームアップにちょうどいいよ♪

ぴこり
そして本番は拘束形態素のショータイム!ject(投げる)、mit/miss(送る)、spect(見る)……語根リズムで覚えよう〜!

おりばー先生
最後に判定のコツや「単独では出ないけど意味の芯を握る要員」をまとめて、読める語が一気に増える地図に仕上げますよ。

ぜすと君
準備完了!お願いします!

文法解説:語根の「自由形態素」と「拘束形態素」

ここでは、自由形態素の語根(単独で語として成り立つ)と、拘束形態素の語根(単独では使えず他の要素に結びつく)をそれぞれ紹介します。特に馴染みの薄い拘束形態素の語根を丁寧に解説します。

自由形態素の語根を知る:日常語がそのまま語根

ぜすと君
自由形態素の語根って、単語としてそのまま言えるやつだよね?

るなちゃん
そう。たとえば help, play, build みたいに単独で意味が通るベースだよ。そこに -er, -ful, -less, -ing などを付けて派生もできるんだ。

ぴこり
まずは“そのまま言える語根”でウォームアップ!

おりばー先生
下の表と例で、語根=核の意味がどう保たれるかを確認しよう。

自由な語根(単語) 意味の核 派生の例
help
/hɛlp/
助ける helpful, helpless, helper
play
/pleɪ/
遊ぶ・演奏する player, playful, replay
build
/bɪld/
建てる builder, rebuild, building
rain
/reɪn/
雨(が降る) rainy, rainfall
laugh
/læf/
笑う laughter, laughable
walk
/wɑk/
歩く walker, walkway
drive
/draɪv/
運転する・駆動する driver, overdrive
cook
/kʊk/
料理する cooker, overcook, uncooked
clean
/kliːn/
きれいにする cleaner, cleanliness
sleep
/sliːp/
眠る sleepy, oversleep

例では、語根そのものが語として完結し、派生しても核の意味(助ける/遊ぶ/建てる…)が残ります。

例文で確認:自由形態素の語根の働き

She is very helpful.
彼女はとても親切だ。
※helpful=help(助ける)+ -ful(〜に富む):「助けになる」→親切な

A friendly helper greeted us.
親切な助手が私たちにあいさつした。
※helper=help(助ける)+ -er(人):「助ける人」→助手

We will replay the video.
その動画を再生し直す。
※replay=re(再び)+ play(遊ぶ/再生する):「再生し直す」→再生する

They plan to rebuild the bridge soon.
彼らはまもなく橋を建て直す予定だ。
※rebuild=re(再び)+ build(建てる):「建て直す」→再建する

It will be rainy tomorrow.
明日は雨模様になりそうだ。
※rainy=rain(雨)+ -y(〜の性質):「雨の」→雨がちの

That excuse is laughable.
その言い訳は笑ってしまうほどだ。
※laughable=laugh(笑う)+ -able(〜に値する):「笑える」→ばかばかしい

The new walker joined the group.
新しい歩行者(参加者)がグループに加わった。
※walker=walk(歩く)+ -er(人):「歩く人」→歩行者

Please don’t overcook the pasta.
パスタを茹ですぎないでください。
※overcook=over(過度に)+ cook(料理する):「過度に料理する」→火を通しすぎる

Cleanliness matters in the lab.
研究室では清潔さが大切だ。
※cleanliness=clean(清潔な)+ -liness(状態):「清潔である状態」→清潔さ

I feel sleepy after lunch.
昼食後は眠い。
※sleepy=sleep(眠る)+ -y(〜の性質):「眠気のある」→眠い

覚えておきたい単語

  • greet /ɡriːt/ あいさつする、出迎える
  • soon /suːn/ まもなく、すぐに
  • excuse /ɪkˈskjuːs/ 言い訳;許す
  • join /dʒɔɪn/ 加わる、参加する
  • matter /ˈmætər/ 重要である;問題、事柄
  • lab /læb/ 研究室(laboratory の略)
るなちゃん
自由語根は「そのまま言える」安心感があるね。核の意味が直感的に残るのが特長だよ。

拘束形態素の語根を知る:単独不可だが“意味の芯”を握る

ぜすと君
拘束の語根って、単独では見ないけど、意味の芯を支配してるんだよね?

るなちゃん
そのとおり。多くはラテン語・ギリシャ語由来で、接頭辞や接尾辞と組んで語を作るよ。まずは“よく出る語根ファミリー”を地図で押さえよう。

ぴこり
語根リズムで覚えたい〜! ject(投げる)、mit/miss(送る)、spect(見る)…!

おりばー先生
表では「意味の核」「相性のよい接頭辞」紹介します。これを覚えると未知語の意味推理が一気に速くなります。

拘束の語根 意味の核 相性のよい接頭辞
ject
/dʒɛkt/
投げる re-, e-/ex-, in-, pro-, sub-
mit / miss
/mɪt/ /mɪs/
送る ad-/ac-, per-, trans-, sub-, dis-
spect
/spɛkt/
見る in-, re-, pro-, con-, de-
ceive / cept
/siːv/ /sɛpt/
取る re-, per-, de-, con-, ac-/ad-
dict
/dɪkt/
言う pre-, contra-, ad-, pre-, pre-/re-
rupt
/rʌpt/
破る・破裂する e-/ex-, inter-, ab-
fer
/fɝː/
運ぶ・担う re-, pre-, con-, in-, trans-
pel / puls
/pɛl/ /pʊls/
押す・駆り立てる com-/con-, pro-, ex-, re-, im-
tend / tens
/tɛnd/ /tɛnz/
伸ばす・向ける ex-, at-, in-, pre-, con-
tain / ten / tin
/teɪn/ /tɛn/ /tɪn/
保つ・保有する re-, con-, main-/ob-(変形), de-

ポイント:語根は単独不可でも、接頭辞の方向語根の核接尾辞の品詞で意味が立ち上がります。

例文で確認:拘束形態素の語根の働き

They rejected the proposal.
彼らはその提案を拒否した。
※re-「逆・後ろへ」+ ject(投げる)で拒否する

The machine ejected the card.
その機械はカードを排出した。
※e-/ex-「外へ」+ ject(投げる)で排出する

The nurse injected a vaccine.
看護師はワクチンを注射した。
※in-「中へ」+ ject(投げる)で注射する

The manager dismissed the rumor.
上司はその噂を退けた。
※dis-「離す」+ miss(送る)で退ける

Data was transmitted securely.
データは安全に送信された。
※trans-「越えて」+ mit(送る)で送信する

I can’t accept the gift.
その贈り物は受け取れない。
※ac-(=ad-の同化「〜へ」)+ cept(取る)で受け入れる

We received your email.
あなたのメールを受け取りました。
※re-「戻す/再び」+ ceive(取る)で受け取る

The audience respected the rules.
観客はルールを尊重した。
※re-「振り返って」+ spect(見る)で尊重する

The volcano erupted last night.
昨夜、火山が噴火した。
※e-/ex-「外へ」+ rupt(破る/裂く)で噴火する

The committee will confer next week.
委員会は来週協議する。
※con-「共に」+ fer(運ぶ)で協議する

覚えておきたい単語

  • proposal /prəˈpoʊzəl/ 提案
  • vaccine /ˈvækˌsiːn/ ワクチン
  • rumor /ˈruːmər/ うわさ
  • audience /ˈɔdiəns/ 観客・聴衆
  • rule /ruːl/ 規則
  • volcano /vɑlˈkeɪnoʊ/ 火山
  • committee /kəˈmɪti/ 委員会
  • securely /sɪˈkjʊrli/ 安全に
るなちゃん
拘束語根は、接頭辞の“方向”+語根の“核”で意味が立ち上がる、と意識すると一瞬で推理できるよ。
ぜすと君
自由→安心、拘束→推理!どっちも地図が見えてきた!次もよろしく!

確認問題:自由形態素の語根/拘束形態素の語根

自由形態素の語根(単独で語として立つ)と、拘束形態素の語根(単独不可で接辞と組んで働く)を“紹介の要点”で確認します。語根の核イメージと代表語の対応に注目しよう。全10問、クリックで正解・解説が表示されます。

Q1. 次のうち、拘束形態素の語根はどれ?

  • 1. help
  • 2. ject
  • 3. rain
  • 4. cook

Q2. 穴埋め:The nurse ______ a vaccine.
看護師はワクチンを注射した。

  • 1. ejected
  • 2. rejected
  • 3. injected
  • 4. subjected
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q3. 語根の観点で最も近い言い換えはどれ?“transmit” =

  • 1. break apart
  • 2. say again
  • 3. take back
  • 4. send across
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q4. 次のうち、語根 spect(見る) を含まないものは?

  • 1. respect
  • 2. inspect
  • 3. suspect
  • 4. project

Q5. 穴埋め:They ______ the proposal.
彼らはその提案を拒否した。

  • 1. injected
  • 2. rejected
  • 3. respected
  • 4. ejected
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q6. 次のうち、自由形態素の語根はどれ?

  • 1. ject
  • 2. dict
  • 3. drive
  • 4. ceive

Q7. 語根 rupt の核イメージとして最も近いものは?

  • 1. to carry
  • 2. to break/burst
  • 3. to write
  • 4. to see
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q8. Data was ______ across the network.
データはネットワークを介して送信された。

  • 1. dismissed
  • 2. permitted
  • 3. transmitted
  • 4. submitted
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q9. 語根グループ tain/ten/tin(保つ) に属する組み合わせはどれ?

  • 1. accept / except
  • 2. attend / pretend
  • 3. confer / transfer
  • 4. contain / retain / obtain
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

Q10. dict(言う) 系の語を正しく使っている文はどれ?

  • 1. She spects the room.
  • 2. He dictated a letter.
  • 3. The news was addiction.
  • 4. He ruptured the plan.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

語根の自由形態素と拘束形態素のまとめ

紹介編の締めくくりとして、語根の「自由形態素」と「拘束形態素」をもう一度コンパクトに整理します。語の核=語根、その働き方の違いを押さえて、未知語でも意味の手がかりを素早く掴めるようにしましょう。

おりばー先生
では、今日の学びを箇条書きで再整理してみましょう。

るなちゃん
ポイントは「語根の核」→「(必要なら)接頭辞・接尾辞で広がる」の順に見ることだよ♪

ぴこり
拘束の語根は単独じゃ出ないけど、意味の芯をギュッと握ってるって覚えたよ!

  • 自由形態素の語根:それ自体で語として使える基盤。派生しても核の意味が直感的に残る。
  • 拘束形態素の語根:単独では使えず、接頭辞・接尾辞と結んで語を作る。多くはラテン語・ギリシャ語系。
  • 未知語は「接頭辞(方向・否定・程度)」+「語根(核)」+「接尾辞(品詞・性質)」の三層で分解して推理する。
  • 同じ語根の“ファミリー”で束ねて覚えると、記憶が圧縮され読み取りが速くなる(例:ject/mit・miss/spect/ceive・cept など)。

おりばー先生
自由語根は“直感”、拘束語根は“推理”。この二刀流で、語彙の森をずっと楽に歩けますよ。

ぜすと君
よーし、今日の地図でまだ知らない語も読めそう!また勉強したい!

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