ぜすと君と学ぶ!語根の「自由形態素」と「拘束形態素」
今日は「語根」の、単独で語として立てる自由形態素の語根と、単独では立てない拘束形態素の語根を紹介します。特にふだん馴染みの少ない「拘束形態素の語根」をしっかり押さえましょう。
ぜすと君
るなちゃん
ぴこり
るなちゃん
おりばー先生
ぜすと君
るなちゃん
ぴこり
おりばー先生
ぜすと君
るなちゃん
ぴこり
おりばー先生
ぜすと君文法解説:語根の「自由形態素」と「拘束形態素」
ここでは、自由形態素の語根(単独で語として成り立つ)と、拘束形態素の語根(単独では使えず他の要素に結びつく)をそれぞれ紹介します。特に馴染みの薄い拘束形態素の語根を丁寧に解説します。
自由形態素の語根を知る:日常語がそのまま語根
ぜすと君
るなちゃん
ぴこり
おりばー先生| 自由な語根(単語) | 意味の核 | 派生の例 |
|---|---|---|
| help /hɛlp/ |
助ける | helpful, helpless, helper |
| play /pleɪ/ |
遊ぶ・演奏する | player, playful, replay |
| build /bɪld/ |
建てる | builder, rebuild, building |
| rain /reɪn/ |
雨(が降る) | rainy, rainfall |
| laugh /læf/ |
笑う | laughter, laughable |
| walk /wɑk/ |
歩く | walker, walkway |
| drive /draɪv/ |
運転する・駆動する | driver, overdrive |
| cook /kʊk/ |
料理する | cooker, overcook, uncooked |
| clean /kliːn/ |
きれいにする | cleaner, cleanliness |
| sleep /sliːp/ |
眠る | sleepy, oversleep |
例では、語根そのものが語として完結し、派生しても核の意味(助ける/遊ぶ/建てる…)が残ります。
例文で確認:自由形態素の語根の働き
She is very helpful.
彼女はとても親切だ。
※helpful=help(助ける)+ -ful(〜に富む):「助けになる」→親切な
A friendly helper greeted us.
親切な助手が私たちにあいさつした。
※helper=help(助ける)+ -er(人):「助ける人」→助手
We will replay the video.
その動画を再生し直す。
※replay=re(再び)+ play(遊ぶ/再生する):「再生し直す」→再生する
They plan to rebuild the bridge soon.
彼らはまもなく橋を建て直す予定だ。
※rebuild=re(再び)+ build(建てる):「建て直す」→再建する
It will be rainy tomorrow.
明日は雨模様になりそうだ。
※rainy=rain(雨)+ -y(〜の性質):「雨の」→雨がちの
That excuse is laughable.
その言い訳は笑ってしまうほどだ。
※laughable=laugh(笑う)+ -able(〜に値する):「笑える」→ばかばかしい
The new walker joined the group.
新しい歩行者(参加者)がグループに加わった。
※walker=walk(歩く)+ -er(人):「歩く人」→歩行者
Please don’t overcook the pasta.
パスタを茹ですぎないでください。
※overcook=over(過度に)+ cook(料理する):「過度に料理する」→火を通しすぎる
Cleanliness matters in the lab.
研究室では清潔さが大切だ。
※cleanliness=clean(清潔な)+ -liness(状態):「清潔である状態」→清潔さ
I feel sleepy after lunch.
昼食後は眠い。
※sleepy=sleep(眠る)+ -y(〜の性質):「眠気のある」→眠い
覚えておきたい単語
- greet /ɡriːt/ あいさつする、出迎える
- soon /suːn/ まもなく、すぐに
- excuse /ɪkˈskjuːs/ 言い訳;許す
- join /dʒɔɪn/ 加わる、参加する
- matter /ˈmætər/ 重要である;問題、事柄
- lab /læb/ 研究室(laboratory の略)
るなちゃん拘束形態素の語根を知る:単独不可だが“意味の芯”を握る
ぜすと君
るなちゃん
ぴこり
おりばー先生| 拘束の語根 | 意味の核 | 相性のよい接頭辞 |
|---|---|---|
| ject /dʒɛkt/ |
投げる | re-, e-/ex-, in-, pro-, sub- |
| mit / miss /mɪt/ /mɪs/ |
送る | ad-/ac-, per-, trans-, sub-, dis- |
| spect /spɛkt/ |
見る | in-, re-, pro-, con-, de- |
| ceive / cept /siːv/ /sɛpt/ |
取る | re-, per-, de-, con-, ac-/ad- |
| dict /dɪkt/ |
言う | pre-, contra-, ad-, pre-, pre-/re- |
| rupt /rʌpt/ |
破る・破裂する | e-/ex-, inter-, ab- |
| fer /fɝː/ |
運ぶ・担う | re-, pre-, con-, in-, trans- |
| pel / puls /pɛl/ /pʊls/ |
押す・駆り立てる | com-/con-, pro-, ex-, re-, im- |
| tend / tens /tɛnd/ /tɛnz/ |
伸ばす・向ける | ex-, at-, in-, pre-, con- |
| tain / ten / tin /teɪn/ /tɛn/ /tɪn/ |
保つ・保有する | re-, con-, main-/ob-(変形), de- |
ポイント:語根は単独不可でも、接頭辞の方向+語根の核+接尾辞の品詞で意味が立ち上がります。
例文で確認:拘束形態素の語根の働き
They rejected the proposal.
彼らはその提案を拒否した。
※re-「逆・後ろへ」+ ject(投げる)で拒否する
The machine ejected the card.
その機械はカードを排出した。
※e-/ex-「外へ」+ ject(投げる)で排出する
The nurse injected a vaccine.
看護師はワクチンを注射した。
※in-「中へ」+ ject(投げる)で注射する
The manager dismissed the rumor.
上司はその噂を退けた。
※dis-「離す」+ miss(送る)で退ける
Data was transmitted securely.
データは安全に送信された。
※trans-「越えて」+ mit(送る)で送信する
I can’t accept the gift.
その贈り物は受け取れない。
※ac-(=ad-の同化「〜へ」)+ cept(取る)で受け入れる
We received your email.
あなたのメールを受け取りました。
※re-「戻す/再び」+ ceive(取る)で受け取る
The audience respected the rules.
観客はルールを尊重した。
※re-「振り返って」+ spect(見る)で尊重する
The volcano erupted last night.
昨夜、火山が噴火した。
※e-/ex-「外へ」+ rupt(破る/裂く)で噴火する
The committee will confer next week.
委員会は来週協議する。
※con-「共に」+ fer(運ぶ)で協議する
覚えておきたい単語
- proposal /prəˈpoʊzəl/ 提案
- vaccine /ˈvækˌsiːn/ ワクチン
- rumor /ˈruːmər/ うわさ
- audience /ˈɔdiəns/ 観客・聴衆
- rule /ruːl/ 規則
- volcano /vɑlˈkeɪnoʊ/ 火山
- committee /kəˈmɪti/ 委員会
- securely /sɪˈkjʊrli/ 安全に
るなちゃん
ぜすと君確認問題:自由形態素の語根/拘束形態素の語根
自由形態素の語根(単独で語として立つ)と、拘束形態素の語根(単独不可で接辞と組んで働く)を“紹介の要点”で確認します。語根の核イメージと代表語の対応に注目しよう。全10問、クリックで正解・解説が表示されます。
Q1. 次のうち、拘束形態素の語根はどれ?
Q2. 穴埋め:The nurse ______ a vaccine.
看護師はワクチンを注射した。
- 1. ejected
- 2. rejected
- 3. injected
- 4. subjected
Q3. 語根の観点で最も近い言い換えはどれ?“transmit” =
- 1. break apart
- 2. say again
- 3. take back
- 4. send across
Q4. 次のうち、語根 spect(見る) を含まないものは?
Q5. 穴埋め:They ______ the proposal.
彼らはその提案を拒否した。
- 1. injected
- 2. rejected
- 3. respected
- 4. ejected
Q6. 次のうち、自由形態素の語根はどれ?
Q7. 語根 rupt の核イメージとして最も近いものは?
- 1. to carry
- 2. to break/burst
- 3. to write
- 4. to see
Q8. Data was ______ across the network.
データはネットワークを介して送信された。
- 1. dismissed
- 2. permitted
- 3. transmitted
- 4. submitted
Q9. 語根グループ tain/ten/tin(保つ) に属する組み合わせはどれ?
- 1. accept / except
- 2. attend / pretend
- 3. confer / transfer
- 4. contain / retain / obtain
Q10. dict(言う) 系の語を正しく使っている文はどれ?
- 1. She spects the room.
- 2. He dictated a letter.
- 3. The news was addiction.
- 4. He ruptured the plan.
語根の自由形態素と拘束形態素のまとめ
紹介編の締めくくりとして、語根の「自由形態素」と「拘束形態素」をもう一度コンパクトに整理します。語の核=語根、その働き方の違いを押さえて、未知語でも意味の手がかりを素早く掴めるようにしましょう。
おりばー先生
るなちゃん
ぴこり- 自由形態素の語根:それ自体で語として使える基盤。派生しても核の意味が直感的に残る。
- 拘束形態素の語根:単独では使えず、接頭辞・接尾辞と結んで語を作る。多くはラテン語・ギリシャ語系。
- 未知語は「接頭辞(方向・否定・程度)」+「語根(核)」+「接尾辞(品詞・性質)」の三層で分解して推理する。
- 同じ語根の“ファミリー”で束ねて覚えると、記憶が圧縮され読み取りが速くなる(例:ject/mit・miss/spect/ceive・cept など)。
おりばー先生
ぜすと君

